- M&Aコラム
- 2026.01.12
M&Aを進める「ペース」について
— 大切なのは、速さではなく「納得」—
M&Aは、経営判断の中でも
最も影響範囲が大きい意思決定の一つです。
事業の将来、社員や取引先との関係、
地域や社会への影響、
そして経営者ご自身の人生にも深く関わります。
だからこそ、
M&Aは「急いで決めるもの」ではありません。
検討段階から、どれくらい時間をかけるべきか
M&Aに「正解の期間」はありません。
ただ、多くの中小企業の現場では、
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検討開始から方向性が見えてくるまで:半年〜1年
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相手探し・交渉・条件調整:さらに半年〜1年
合計で1〜2年程度をかけて進めるケースが一般的です。
これは決して遅い判断ではなく、
経営として自然で健全な時間軸だと私たちは考えています。
注意すべき「ペースの罠」
M&A会社の中には、
・「今決めないとチャンスを逃します」
・「この条件は二度と出ません」
・「早く進めた方が得です」
といった言葉で、
決断を急がせるケースも少なくありません。
しかし、そのペースは
経営者の人生のペースではなく、成約のペースであることもあります。
M&Aは、
誰かの都合に合わせて進めるものではありません。
大切にすべき4つの視点
私たちが考える、
M&Aを進める上で本当に大切な判断軸は、次の4つです。
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自社を知る
強み・弱み・課題・将来性、そして経営者ご自身の本音 -
相手を知る
条件だけでなく、価値観や引き継ぎ後の姿勢 -
社会と未来を知る
業界の変化、地域や社員への影響、次世代への意味 -
自分の納得を知る
数字だけでなく、相手との価値観、社員・取引先・各家族、相互協力体制、将来性などから
「感動と決断について根拠をもって説明できるか」
ペースを決める基準は「納得感」
不安が残るなら、立ち止まる。
違和感があれば、戻る。
納得できるまで、考える。
それができる余白こそが、
良いM&Aを実現するための前提条件です。
大和経営の考え方
私たちは、
M&Aを「早くまとめる仕事」だとは考えていません。
経営者が、
・自分の言葉で語れる
・自分の意思で選べる
・自分の判断として受け入れられる
その状態になるまで、
一緒に考え、整え、待つことも
大切な支援だと考えています。
最後に
M&Aは、
「決断の速さ」を競うものではなく、
「決断の質」を高めるプロセスです。
自分のペースで、
自分が納得できる形で。
それが、
後悔のないM&Aにつながると、私たちは信じています。