- M&Aコラム
- 2025.11.15
《大和経営 至誠M&Aコラム》赤字企業がM&Aで“高値で売れる”方法|中小企業M&Aの専門家が徹底解説
■ はじめに|赤字だから売れない…は“誤解”です
「うちは赤字だから売れないよね?」
そう相談されることが少なくありません。
しかし、実際には 赤字企業でも高値売却が成立するケースは数多くあります。
理由はシンプルで、買い手は「過去の利益」よりも
未来のキャッシュフローと、それを生み出す“経営資源”を評価しているから です。
・立地
・許認可
・顧客リスト
・技術・ノウハウ
・従業員
・ストック型売上
・仕組み化されたオペレーション
・特定地域・業界でのポジション
これらは「赤字か黒字か」とはまったく別軸の価値。
ここを丁寧に可視化できる企業ほど、高値で売れています。
■ なぜ赤字企業に買い手が集まるのか?(買い手の評価ポイント)
① 許認可・地域ポジションなど “時間を買う”
・建設業許可
・訪問介護・障がい福祉
・飲食業許可
・保険代理店の登録
・保育所の認可
・医療系の各種指定
・商圏の好立地
許認可の取得には時間・コスト・労力がかかるため、
「買ったほうが圧倒的に早い」=時間の利益 が生まれます。
この“時間をショートカットできる価値”はM&Aで非常に重視されます。
② 顧客や契約数という“ストック価値”
例えば
・月額契約数
・会員数
・サブスク
・継続取引(リピート率)
・ルート営業の顧客基盤
赤字でも改善余地がある事業なら、買い手は
「テコ入れすれば黒字化できる」
と判断します。
③ 人材・オペレーションが残っている価値
特に地方では“採用困難”が深刻です。
・従業員がいる
・業務フローが回っている
これだけで投資対象として魅力が高まります。
■ 高値売却を実現する“5つの戦略”
① 修正EBITDAの作成(赤字→実質黒字を示す)
赤字企業でも、以下を調整すると「実質黒字」が見えてきます。
・オーナー報酬
・社長名義の家賃
・一時的な費用
・様々な項目の私的費用
・各種調整項目
→ 修正営業利益・修正EBITDAが黒字化するケースは非常に多い。
大和経営は
「修正EBITDAの可視化」→「元EBITDAの5〜10倍評価(最高成約倍率77倍)」
という実績に基づくスキームを多数保有しています。
② 経営資源の棚卸し(価値の見える化)
・顧客リスト
・契約書
・社内マニュアル
・オペレーション
・仕入れルート
・ノウハウ
・社員構成
・集客・マーケティング手法
これらを整理するだけで、買い手の評価は大きく変わります。
「何が価値で、どこに伸び代があるか」が明確になるからです。
③ 社長依存を減らす(買い手の不安を除去)
買い手の最大の不安は
「社長が抜けたら会社が回らないのでは?」
です。
・業務の棚卸し
・引継ぎ計画
・退任後の相談期間の設計
・M&A開始を前倒しして在籍期間を長くする再設計
これらの準備だけで価格は上がります。
④ 将来の利益ストーリーを作る(再現性の提示)
買い手が知りたいのは「過去」だけではなく「未来」。
・どこを改善すれば黒字化できるか
・黒字化までの期間
・必要投資額
・改善のスピード感
これは “ビジネスDD(事業価値分析)”の領域 です。
⑤ 自他を理解した資料とストーリーの設計(出す情報で価格が変わる)
響くノンネームシートと企業概要書(IM)は価格に直結します。
・売却理由の誠実さ
・価値の整理
・成長余地の提示
・事業構造の強み
・どんな買い手が相性良いか
この設計を丁寧に行うと、赤字企業でも競争状態(複数社検討)に入りやすい です。
■ 赤字企業M&Aで多い“成功パターン”
① 粗利率は高いのに、人件費で赤字になっている
→ 「人員最適化すればすぐ黒字」と判断される典型。
② 設備・許認可・立地の価値が高い
たとえば
・好立地の飲食店や医療施設
・建設業許可
・福祉系指定
・音楽スタジオ
→ ビジネスチャンスや時間を買う価値が非常に高い。
③ オーナーの私費を調整すれば黒字化する
→ 調整後利益を見ると“投資価値が高い”と判断される。
④商品は良いが、集客・マーケティング活動をほぼ全く行っていない
→ 広告運用や販促体制の構築により短期間で業績改善が可能と判断される。
■ 売却前に必ずチェックしたい項目
・細かな内容を確認した修正EBITDAを作成しているか
・顧客リストは更新されているか
・契約書・仕入れ条件の棚卸し
・社長依存の程度
・従業員のキーマン理解
・将来利益ストーリーの有無
・売却目的の明確化
・情報管理(データ・帳簿)の整理
・DDでマイナス要因になりそうな点の事前対策
■ まとめ|赤字企業でも“高値で売れる”時代です
M&Aでは、
「利益が出ているかどうか」は価値の一部に過ぎません。
むしろ、本当に重要なのは
・経営資源
・将来キャッシュフロー
・許認可・立地
・顧客基盤
・ノウハウ
・経営者と社員の力
・売却ストーリー(再現性と可能性)
これらを 正しく整理し、価値の見える化をすること です。
皆様には、ぜひ
-
自社の魅力・価値に気付く
-
最適な買い手(良い結婚相手)を想定する
-
響くノンネームシート・企業概要書を作成する
-
価値を理解し合える相手と“良い結婚(M&A成約)”を迎える
というプロセスを大切にしていただきたいと考えています。
大和経営は、
赤字企業でも価値を最大化し、他社一般的評価より、想定以上の高値売却を実現する支援 を得意としています。
まずはお気軽に、無料相談をご活用ください。
https://www.daiwa-keiei.co.jp/inquiry/