- 経営支援
- 2025.06.05
経営支援「価値観の共有と向上」大阪 経営アドバイザリー会社 大和経営
組織づくりの根幹にあるもの
― 多くのスタッフと「価値観」を共有し、育てていくには ―
企業が成長するにつれて、部署や職種が増え、関わる人の数も多様になります。その中で、「みんなが同じ方向を向いている」組織をどうやってつくっていくか。これは、すべての経営者やリーダーが向き合うテーマです。
私たちは、「価値観の共有と向上」こそが、強くしなやかな組織の土台になると考えています。そしてそれは、単に理念を掲げるだけでは実現しません。以下のような取り組みを日々の実務と一体化させながら、地道に積み重ねていくことが重要です。
■ 共通言語としての「経営理念」や「行動指針」
まず取り組むべきは、「会社として大切にしている考え方」を言語化し、それを組織の共通言語として定着させることです。
たとえば、「経営理念」「行動指針」、あるいは京セラフィロソフィーのような価値観集。こうした文書を単に掲示するだけではなく、スタッフ全員で読み合わせたり、日々の業務に照らして考える習慣をつくることが大切です。
■ 現場での判断基準にする
日常業務の中で出てくる判断や選択。その基準が「上司の顔色」や「目の前の損得」になってしまっていては、組織はバラバラになります。
逆に、すべてのセクションで、共通の価値観に基づいた判断がなされるようになると、組織は一気に強くなります。
「うちの会社だったら、こう考えるよね」「この判断は、フィロソフィーの○番に照らすと、正しいと思える」
――こうした会話が自然と生まれる職場こそ、価値観が共有された状態だといえるでしょう。
■ 採用から一貫させる
どれほど社内で価値観共有に取り組んでも、根本的な価値観が異なる人が加わると、摩擦や違和感が生まれやすくなります。
そのため、採用段階から「何を大切にしている会社か」「どんな考え方を持った人を求めているか」を明確に伝え、価値観のすり合わせを行うことが不可欠です。入社後の教育も含めて、一貫した仕組みとして設計していくことが、企業風土の醸成につながります。
■ 小さいうちから、長く、続ける
価値観共有は、短期間で完成するものではありません。長い時間をかけて育てていくものです。だからこそ、できるならば創業時から、小さな組織のうちから取り組んでおくことが望ましいのです。
規模が小さいときほど、創業者の考えがスタッフ全体に行き渡りやすく、文化が根付きやすい。その土壌の上に、強固な企業風土が育っていくのです。
まとめ
価値観の共有は、「読み、考え、実践する」ことの繰り返し、社内での判断事例や成功事例を共有することです。
日々の業務にどう落とし込むか、現場でどう使うか、採用や評価とどう結びつけるか――それを粘り強く続けていくことが、ぶれない組織をつくります。
時間がかかるからこそ、始めるなら今。
そして、小さな一歩でも続けることが、未来の企業文化を形づくります。