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  • 2025.05.23

M&Aについて「買い手に求められる信用力について」M&A大阪 大和経営

■ M&Aにおける「買い手」に求められる信用力とは

「買いたくても買えない」企業には、共通して“信用力の不足”があります。

ここでの信用力とは、単なる資金力だけでなく、経営力や組織力を含めた総合的な実力を指します。

◆ 信用力の具体的な構成要素

 事業規模・実績

  • 自社の業績が安定しており、成長性が見込めるか
  • これまでの経営実績に裏付けられた信頼感があるか
  • 類似業種や隣接業種での展開経験があるか

 財務体力

  • 買収資金を自己資金または安定した資金調達力で賄えるか
  • 財務諸表の健全性(自己資本比率、債務超過の有無など)
  • 買収後の追加投資(人材・設備・仕組み)を行う余力があるか

 人材を活かす力(組織受け入れ力)

  • 「買収後の統合(PMI)」において、譲渡企業の社員を受け入れ、活躍させる素地があるか
  • 雇用を守り、心理的な安全性を確保できる社風・マネジメント体制か

 社員との良好な関係性(社内信頼の蓄積)

  • 自社の社員と信頼関係が築けていない企業は、買収後も人が定着しない
  • 社内コミュニケーションが機能しており、風通しの良い職場環境であること

 聴く力・理解力

  • 譲渡企業の社長・社員の話を「聴く」姿勢があるか
  • 数字だけでなく、譲渡側の想いや背景に配慮できるか
  • 無理な自社色の押し付けをせず、柔軟に対応できるか

 事業プロデュース力(発展の青写真を描ける力)

  • 譲渡企業の強みを理解し、それを活かしてどう伸ばしていくかの戦略があるか
  • 単なる吸収合併で終わらせず、「未来の展開」が語れるか
  • 既存事業とのシナジー創出力

総括:買収は「選ばれる力」が問われる

譲渡企業のオーナーは、単に“高く買ってくれる相手”を選ぶとは限りません。

「大切に育てた事業や社員たちを任せられるかどうか」という視点で、買い手の信用力を見極めています。

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